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引用サイト:大紀元
https://www.epochtimes.jp/jp/2012/04/html/d83993.html
中国崑崙山の仙人(22) 亀脈
十三、亀脈

 皆が帰った後、平先生は怪物の入っている陶壇子を取り出し、地上に置いた。私が何をするのかと聞くと、「蜮」は極めて汚いものなので、世の中で最も清浄な水である「亀脈の水」で洗わなければならず、このまま洞庭湖に入れると湖水を汚染してしまうのだと言った。また、命令に従わせるためには、それに惑心を服用させなければならないのだと言った。「亀脈の水」でそれのお腹の汚物を吐き出させ、惑心の水に三日三晩ひたして完成するというのだ。

 私は、「亀脈の水」とは聞いたことがないが、一体何なのかと聞いた。平先生によると、「亀脈」は地下十数メートル以下の深いところにある水脈のことで、独特な系統によって自ら循環し、浄化され、外部から汚染されないため清浄で比類がなく、世の中で最も清浄であるという。「亀脈」の入口には、普段、一匹または数多くの年取った亀が守っているが、中には数百歳のものもあれば、数千歳のものもあるという。そのため、「亀脈」と呼ばれるようになったというのだ。

 私は驚いて、これらの亀は本当に地下十数メートルのところに生きているのかと聞いた。平先生はうなずいて、畑の中にあるが周囲の地上は水の流れもなく出口もなく、地下に完全に埋められているのだと言った。この世界は本当に大変奇妙で知らないことばかりだ。かつて読んだことのある本には、ある地方で畑の地下から生きている亀を掘り出したが、家の土台を作る時に掘り出したのもあったと書いていた。私はずっと半信半疑で、それの真偽を知らなかったが、平先生がいうことはそれよりも更に不思議である。

 続いて平先生は、地下に亀があることはそれほど珍しいことではなく、地下には怪物などもあるが、人間は知ることも見ることもできないのだと言った。平先生は黄色の粘土を塗って封をしている一つの壺を取り出した。上には奇怪な文字が書かれていた。壺の封を開けながら、本当に全ては天が按配したことで、全てのことは時機が熟せば自然に成就すると言った。

 彼の話によると、「亀脈の水」は世の中でも極めて珍しい、めったにない物で、見つけることは容易ではないという。十数年前、彼がある地方を通った時、日照りで飲む水が少なく、村民たちが井戸を掘っているのを目にした。しかし、当地は地表の水脈が途切れていて、十数メートルまで深く掘らないと水は出なかった。村民が十数メートル掘ったところ、意外にも洗面器ほどの大きな亀を掘り出し、このことはすぐに村に広まった。平先生はちょうどそこを通ったので、水脈が汚染されないうちに、壺にいっぱい水を取って残したという。

 平先生は話しながら壺を開け、怪物を入れた壇子に水を注ぎ込んだ後、封をして怪物を水の中に浸した。約30分浸すと壇子を開け、中の汚水を別の壺に出した。入れる時は、水は完全に透明だったのに、出す時は真っ黒で悪臭を発していた。平先生は、この汚水はこのまま捨てると地下水を汚染してしまうので、昆侖山に持って帰って消滅させなければいけないと言った。

 このように、私たちは午後ずっと怪物を水に浸す作業をした。「亀脈の水」を入れた壺と汚水を入れた壺は、両方ともほぼ同じ大きさであったが、不思議なのは、「亀脈の水」の水は出しても出しても切れることがなく、十数個の壺の水を満たしたが、まだ尽きなく、汚水を入れた壺も同じで、いくら入れても満ちることなかった。

 約十数個の壺の水で浸すと、水は澄んだ。平先生はもう大丈夫だと言い、手元から一つの赤い袋を探し出した。そして袋の中から何か黒いものを取り出したが、手で握ると水となった。私はこれがいわゆる「惑心」であると思った。彼は「蜮」を入れている壇子に「惑心」の水を入れ、「蜮」を浸し、蓋を封じた後、目を閉じて側に座った。この時、周囲はもう暗くなり、神医と2人の村民が私たちを探しに山に上がってきた。私たちがずっと帰ってこないのを見て、探しに来たのだ。

 平先生は壺を片づけて彼らと村に戻った。村民は酒席を数卓ほど並べ、私たちを接待しようとした。平先生は断ったが、彼らに強制的に食卓に座らされた。

 食事が終わり、夜となったが村民たちはまだ帰ろうとせず、私たちを囲んで話し合いを始めた。私と平先生は何も言わず、神医だけが彼らと談笑していた。平先生は突然、そろそろ出発すると神医に伝えるよう私に言った。洞庭まで行くには三日間かかるので、今出発すると、ちょうど全てが間に合うのだと言った。

 私はうなずいて、そっと神医に耳打ちし、彼の話を伝えた。 神医はうなずいて村民に別れを告げた。村民は強く引き止めたが、結局、私たちの申し出を受け入れてくれた。彼らは明かりを照らしながら、私たちを村の数キロ先まで送ってくれた。

 
(翻訳編集・柳小明)
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