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引用サイト:大紀元
https://www.epochtimes.jp/jp/2012/04/html/d57490.html
中国崑崙山の仙人(21) 蜮
十二、蜮

 村に帰ると、たくさんの人が集まっていた。神医は、皆さんに手伝ってもらいたいことがあると述べ、「豚人」を捕まえて彼の病気を治したいと話した。

 村民たちは「豚人」を恐れており、彼は汚いので、助けるかどうか議論したが、神医から恩を受けているし、「豚人」を早く村から追い出したかったので、結局、神医を助けることに同意した。彼らは20数人の若者を連れて、縄と木の棒を持って「豚人」がいる場所へ出発した。

 平先生は神医に、「蜮」は平地の上で取り出してはいけないと言った。もし平地の上でやった場合は、すぐに変身して逃げることができ、手で掴むことも危険で、真体を傷つける恐れがあるという。平先生は、山の中で水脈霊地を探し、夜にそこで九龍陣を立て、「蜮」を取り出す時は九龍陣の中でやれば逃げられなくなると言った。神医はうなずいた。

 村民たちは、「豚人」がいる糞の池をぐるりと囲み、手には棍棒を握って紐で結びを作り、紐を棍棒で支えながら「豚人」の体に被せた。

 「豚人」は糞の池から立ち上がり、村民たちに向かって大声で叫んだ。まるで怪物のようだった。紐を何回も掛け直して、やっと彼を縄目にした。村民たちは紐の一端を大きな木の株に巻き、一斉に引っ張った。「豚人」は大声で怪しく叫び、口で紐を噛んだが、大勢の人には勝てずに、すぐ糞の池から引きずりだされた。

 「豚人」の悪臭は耐えがたいほど酷かった。引きずった後、村民はみんな彼と距離を置いて、近づこうとしなかった。ある中年の人が、彼を木に縛るように指示すると、彼らは力を合わせて、「豚人」を木の側まで引きずり、一生懸命に紐で巻き、彼をしっかりと木に縛った。

 そして、神医の指揮で、村民たちは「豚人」の手と足をしっかり縛り、木から解き、竹の棒で彼を担いで山中に向かって歩いた。しばらく歩いた後、山中のある平地に着いた。平先生は、「豚人」をその平地の真中に下ろさせた。

 神医は薬の袋から薬を取り出し、一つ一つ薬量を勘定した。彼の動きが遅いのを見て、私も手伝うと言い、前に踏み出すと、彼に止められた。彼は笑い始め、私の手を通して調剤した薬は利かないと言った。そして、彼は左手で調剤した薬は利くが、右手を使うと利かなくなるのだと言った。私も笑った。噂の「獨臂神醫」の意味がわかったのだ。

 薬の調剤が終わると、平先生が取ってきた「沈香屑」を入れ、薬団子をいくつか練り上げた。神医は村民たちに、その薬団子を「豚人」の口に詰め込んだが、何回試しても、彼は吐き出した。そして皆は一考を案じて、薬団子を豚の糞球の中に包み、彼の口を開かせ、一気に詰め込んだ。「豚人」は大声を上げながら、豚の糞と薬団子を呑み込んだ。

 約10分後、「豚人」は狂い始めた。彼は両目を丸く、大きく見開き、目は真っ赤に充血し、絶えず大声で叫んだが、その声は数キロ離れたところでも聞こえるようだった。約一時間経つと、彼は叫ばなくなった。神医はみんなに、「豚人」をひっくり返らせて、顔を下に向けさせた。しばらくすると、彼は口の中から続々と何かを吐き出した。吐き出されたものは丸くて黒く、ねばねばしたもので臭気が強く、みんな鼻を覆い、吐き気が止まらないほどだった。黒いものを吐き終わると、最後に一団の血を吐き出したが、その中に何かが揺れ動いているのが見えた。

 神医が急いで、出てきたと平先生に言うと、彼は走って陶壇子を血の中にあるそれに伏せ、中に入れた後、迅速に壇蓋を閉じた。血の中にあったため、様子ははっきり見えなかったが、そのものは足がなく、見た目はとても太いタウナギのようだった。

 この時、「豚人」はもう静かになっていた。神医は、もう治したので、彼を縛った縄を解いてもよいと言った。最初は、みんなまだ少し恐れていたが、彼が本当に静かになり、阿呆のようにぼんやりとし、話すこともなく動くこともしないのを見て、彼を解いた。「豚人」は、みんなを見て笑い、走ることもなく、叫ぶこともなく、とてもおとなしかった。神医は、彼はもう一人の普通のばかであって、これ以上治すことはできないと言い、彼を正常な人に治すことは不可能だと言った。

 村民たちはうなずきながら、本当に不思議であり、このように治してくれたのも幸運だったと言い、これから「豚人」が人を驚かせたり、害したりすることはなくなると言った。皆は相談して、「豚人」を池の中できれいに洗ったあと、彼の家族の元に戻らせ、家族に面倒を見てもらうことで合意した。

 そして、彼が吐き出したものは何だったのかと聞いた。神医は微笑みながら、回虫だが、汚いものをたくさん食べたので、回虫が大きくなって、怪物になったと話した。みんな何かがわかったかのようにうなずいた。そして、村民たちは帰り始めた。彼らは私たちに昼ごはんを誘ってきた。平先生は、神医に先に行くように示し、自分は他の用事があるので、後で行くと言った。神医はうなずいた。私は、先に行かない、平先生と一緒に行くと主張した。なぜなら、不思議な事を続けて見ることができると思ったからだ。

 (翻訳編集・柳小明)
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