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引用サイト:大紀元
https://www.epochtimes.jp/jp/2012/03/html/d76724.html
中国崑崙山の仙人(19) 妖狐(二)
十一、妖狐(二)

 彼女は戸口まで走ってくると、横たわったり地上を転げ回ったりしながら大声で泣き、たくさんの人が死にそうとか、たいへんな事が起きるとか、怖いことばかりを口にした。

 私たちは面白いと思い、そのおばあさんから目を離さなかった。村民たちによると、彼女は隣村の巫女で、神が彼女に憑いていると言った。彼女に焼香したりお金をあげたりすると、どんな質問にも答えてくれるが、たいてい当たっているという。

 神医は横目で彼女を見ると、まともなものではない、と言った。

 村民たちは巫女を囲み、彼女を引きずりながら、いったいどうしたのか、何が起きるのかと聞いた。彼女は村民たちが自分を囲んで、自分の話を聞いてくれるのを見て、目で周囲を探し、私と神医を見つけると、私たちを指差した。そして、またあちこち探し続けたが、見つからなかったようだった。私は、彼女が探しているのは、おそらく平先生だろうと思った。巫女は私たちを指しながら、もう一人の仲間はどこへ行ったのかと聞いた。

 私たちは誰も彼女を相手にしなかった。すると、彼女は再び跳び始め、太ももを叩きながら泣き続けた。それから、村民たちが話をとりついでくれた。彼女の話によると、彼女は先ほど神霊からのメッセージを受けたという。私たちは雷に打たれるという災いに遭い、天は私たちを殺そうとしているので、私たちがどこへ逃げても、天は私たちに落雷し続けるという。今、私たちがこの村にやってきたので、ここの全ての人に災難をもたらすに違いない、村の人は、みんな雷に打たれて死んでしまうというのだ。幸いに、村民たちは彼女の話を信じることはなく、皆笑った。数人のおばあさんだけが彼女の話を信じ、恐ろしそうに私たちを見ていた。

 一方、神医は村民たちの長年の慢性病を治した。銀針に触れると病気はすぐに治り、数十年の慢性化した持病の患者二人もその場で治った。村民は皆、神医の仕業に感激し、泣いて叩頭しようとする者もいた。

 神医はとても雄弁でユーモアがあり、村民たちと打ち解けていた。彼は病気を治してもお金を受けとろうとせず、謝礼として渡された小さい贈り物さえも一切断った。そのため、村民たちは皆、彼に敬服していた。

 巫女は自分を相手にする人が誰もいないのを見て、呆然となった。しばらくすると、彼女は突然跳び上がり、泣き叫びながら必死に神医をつかんで、外へ引っ張ろうとした。そうしながら、口で神医を噛んだり、足で蹴ったりした。彼女の行動に村民たちは激怒した。特に神医の恩を受けた村民の家族はそうだった。彼らは巫女を神医から引離し、遠くまで引きずって、再びこの村に足を運んではいけないと警告した。

 巫女は遠くまで引きずられると、地べたに座った。彼女は村民たちを指しながら、応報は夜にやってくる、それを待てばよいと泣き叫び、村を巡って走り始めた。走りがなら、大声で叫び、その様子はまるで狂人のようだった。

 巫女のことで、私は気持ちが重くなり、下を向いたまま黙っていた。神医は私の手を引いて席に座らせると、明るく笑いながら、あのような人は相手にするに値しない、と話した。そう言いながら、また針を取り出して、病気の治療を続けた。そして、何事もなかったかのように村民たちとおしゃべりしたり、笑ったりした。

 夕刻になり、平先生は帰って来た。彼は、私と神医を側に引き寄せ、今日、誰かが来てごたごたを起こしていないかと聞いた。神医が巫女のことを話すと、彼はうなずいた。私は、何が起きたのかと聞いた。

 それによると、平先生が妖狐に会いに行ったところ、妖狐は彼と勝負しようとしたという。妖狐は、たくさんの弟子やイタチ、蛇の妖怪の仲間を呼び出し、陣立てして平先生と闘おうとした。平先生は、それらとトラブルを引き起こしたくなかったので、変身してその場を離れ、昆侖山に戻って「天雷」に助けを求めに行ったという。

 私は、「天雷」に落雷するようお願いして、これらの妖怪を殺すのかと聞いた。彼はうなずきながら、もし天意が「成功」であれば、今晩にも落雷して妖怪たちを殺すことができるが、そうでなければ、他の方法を探すしかないと言った。

 平先生は、私たちに村民の家で泊めてもらうようにと促し、自分は山に上って「天雷」を呼びにいくと言った。

 (翻訳編集・柳小明)
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