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引用サイト:大紀元
https://www.epochtimes.jp/jp/2011/11/html/d82234.html
中国崑崙山の仙人(3) 平先生との出会い
平先生は自ら我が家を探しあて、訪ねてきたらしい。先生は訛りが強く、多少聞き取りにくかったが、話の内容はなんとなく分かった。平先生は我が家から「殺気」を感じたので、原因を調べに来たと話した。祖父は先生が普通の人ではないことがすぐに分かり、急いで家の中へ案内した。大体の事情を聞いた後、平先生は「これはたいしたことではない。夜に『百日の関』を取り除いてあげよう」と、私の家族に話した。

 平先生の話を聞き、祖父は感激のあまり、先生にひざまずいて礼をするように父に強いたが、平先生に止められた。無口な平先生は、何かを聞かれたら、いつも一拍おいてから穏やかに答えてくれた。食事をする時も、私たちの食器は使わずに、自分が持っている飯鉢(めしばち)で食事を取っていた。先生は「自分は常に外を歩きまわり、身体も汚れているので、家の食器を使うと汚れてしまう」と言い、食卓にも来ず、一人で隅にしゃがんでゆっくりとご飯を食べていた。一点xun_齔Hで、水もほとんど飲まない。食事を終えると水を一杯頼み、自分の飯鉢に入れ、飯鉢の縁にくっついているご飯の粒などを揺すぶりきれいに洗ってから、一気に呑みきった。

 そして午後から平先生は父を連れ、シャベルを担いで数キロメートル離れた婆婆山という山のふもとまで歩いて行った。彼はある土地を指し、父に掘らせた。父は高さと幅が約2尺の正方形の穴を掘り出した。

 平先生が「地下水が出るまで掘らなければならない」と言うと、父は掘り続けた。続いて父は、深さ2メートルほどの穴を掘ったが、何も出なかった。疲れた父は、息を弾ませながら「ここでは地下水なんか出ないよ」と言いながらシャベルを捨て、もう掘ろうとしなかった。平先生は何も言わずに、ずっと側で目を閉じたまま座っていた。父が仕方なく掘り続けると突然、まるで動脈の血管が切られたかのように地下水がザアザアと湧いてきて、またたく間に穴が水で満たされた。驚きのあまりポカンとして立っていた父は、「これは驚きだ!」と感心していた。掘り出した水は清らかで、清清しく少し甘味もあった。

 平先生は手元から一つの陶瓶を取り出し、ふたを開けて水の中に入れたが、しばらく時間が経っても瓶を満たすことはできなかった。その後、平先生は瓶のふたを閉じ、父に持って帰らせた。不思議なことに、普段なら往復で一日かかる数キロメートルの泥道が、その時は半日もかからないうちに家に着くことができた。父は、「平先生の後ろについていくと、普段と同じような歩き方なのに、まるで風に乗っているようだった。数キロメートルもある道を、いつもの半分以下の時間で歩き終わった」と言った。その時から、父の無神論は動揺しはじめた。祖父が不在の時でも、「迷信を信じるな」と言うことはなくなった。

 その夜、平先生は家の人を就寝するよう帰らせた。まだ心配していた祖父は帰らずに、部屋の中の様子を注視していた。平先生は黙々と、水が入っているあの陶瓶を取り出し、私が寝ているベッドの下に置いた。そして扉を背にして目を閉じて座った。

 明け方の午前二時から三時頃だった。祖父は、ドン!という音とともに白い影がベッドの下からビュッと飛び出し、梁を2周回るのを目にした。また上から翼をたたく音がして、カラスのような、また野良猫のような怪しい鳴き声が聞えた。再び部屋の中を見ると、いつの間にか暴風が荒れ狂い、魚網を吹き飛ばしていた。祖父は慌ててベッドから降り、軍刀を持ち上げて部屋の中をあちこち探した。

 その時、屋根がガラガラと響き、瓦が飛び出した。頭を上げてみると、屋根に大きい穴が開いていた。この突然やってきた出来事にみんながまだ身動きできない間に、周りは既に元の静かさを回復した。まるで何も起きていないかのようだった。

 祖父は平先生がいなくなっていることに気がつき、周囲を探したが、どこにも見当たらなかった。鶏が3回鳴くと、平先生は帰ってきた。先生は、「百日の関」は既に取り除かれ、私は無事だと言い、話し終わるとすぐに離れようとした。祖父は先生を引き止め、我が家に代々伝わる骨董を謝礼としてあげようとしたが、骨董を取り出した時には既に先生の姿は消えていた。父はあっけにとられ、何が起こったのか全く理解できなかった。皆で平先生を探しに、村や、村から遠く離れたところまで行ったが、平先生はどこにもいなかった。

(翻訳編集・柳小明)
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