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引用サイト:大紀元
https://www.epochtimes.jp/jp/2010/04/html/d46542.html
高智晟著『神とともに戦う』(28) 孤独な者の孤独な夜②
法廷での審理が終わるとメディアは私に「この件に関して、全国の同業者に何かメッセージはないか」と尋ねた。私は同業者にこんな忠告を残した。「中国の弁護士が無恥と栄光の区別をはっきり自覚したときこそ、中国の弁護士にとっての希望の始まりなのです」。しかし悲しいかな、我々はいまだにこの希望の芽生えを見ることができていない。

 この世界において、弁護士ほど司法制度と密着した職業はなく、また現実社会の正義に対し自然的責務を負う職業もない。しかし中国では、それが無残なほど変わり果ててしまっている。冷静かつ公正に論じるならば、これは中国の弁護士が自ら追い求めた結果ではないはずだが、弁護士自身が放任した結果なのである。

 この世に、犬になりたいと願わない犬が存在するかどうか、私は知らない。だが1人の人間または集団内の人間が「犬(媚びへつらう者)」になりたいと願うなど、誰も納得できはしない。自ら「犬」になりたいと思う人間はいないはずだが、最後には「犬」のような集団が出来上がってしまう。この中国の「法律サービス市場」においては、「犬」のような者しか大手を振って歩けないのだ。この現実に、私は深く心を痛めて已まない。

 袁氏の文章を拝見する前の日、わたしは国内から多くの電話をもらった。彼らはみな口をそろえて、「全国人民代表大会(略称:全人代)と呉邦国(全人代常務委員会委員長)への公開状送付は慎むべきだ。そんなことをすれば危険極まりない」と諭した。その日、最期のときを迎えていた母を含めた私の家族も、4本の電話をよこした。その4本の電話は、どれも私の身を案ずるものだった。母は「社会に不公平がまかり通っていることくらい、誰もが知っている。あんなに多くのお偉いさんも知らないはずはないのに、誰一人として言おうとはしない。なんでお前のようなちっぽけな庶民が言わなくちゃいけないの」と声を振り絞った。「私は孤独ではない」と私が言っても、誰も信じないに違いない。

 袁氏のご理解に対し、私は深く感謝を申し上げる。たった1人で道を歩むことは、一種の孤独といえよう。しかし袁氏が文章で指摘した私の孤独の核心的な意味とは、私が自分で決めたやり方で考え選択するということである。この考えや選択は、時に人を絶望へ追いやるほどの苦しみに満ちている。それがなぜ、ただの孤独に止まるものであろうか。

 適者生存というのは、自然界の法則にとどまらない。私は時折、自分の孤独や苦しみを周りの親しい友人に話す。多くの友人は「超然としていればよい」と忠告してくれた。また、「今の中国では、鈍感であることは一種の超然であり、超然から鈍感に至ることが一種の境地なのだ。でなければ君は1人で苦しみをなめることになる」と語る友人もいた。鈍感になれば苦痛を減らせるばかりではない。何よりも肝心なのは、鈍感な者は身の安全が保障されることである。しかも鈍感になったなら、いくらでもうまい汁を吸うことができるのだ。私の孤独の苦しみは、ほかでもない私の思索から生まれる。この社会で絶えず思索し続けることは、絶えず苦しみ続けることになるのである。

 最近、私は新疆のカシュガル市に赴き、ある障害児に法律援助をした。そこで起きた2つの事件は、ずっと私の脳裏から離れることはない。

 1つは国家民族事務委員会の指導者の息子がカシュガル市で起こした事件だ。白昼、彼は無辜の公民に残忍な暴力を振るった。この「ご子息」はこの時、身分証明書を身に付けていなかったので、警察は当然彼を止めた。だが続いて、警察官の目の前で繰り広げられた茶番劇は、身の毛もよだつものであった。警察が制止すると、この「暴漢ご子息」は、「俺は○○の息子だ。お前らのような犬どもが、俺様に指1本でも触れられるのか。お前らの上司(政法委員会書記)は誰だ。10分以内にそいつをここに呼べ。来なければ、俺がそいつを首にするぞ」と大声で叫んだ。

 すると「犬」と呼ばれた警察官たちは、みな顔色が変わった。地元の政法委員会書記が飛んでくると、この「暴漢ご子息」は狂ったようにわめき続けた。しかもこの暴漢は、この書記の前で、すでに地面に倒れていた被害者へ更に暴行を加えたのだ。

 この結末といえばこうだ。何人かの「人民警察」を口汚く罵って、「暴漢ご子息」様はようやく気をお静めになられた。被害者は病院に運ばれると、「犬」と呼ばれた警察によって監視された。被害者が回復後、告訴しないようにするためにである。

 (続く)
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