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文化交流  >  文化  >  【悠遊字在】日の話―嫦娥のおかげで残った太陽
引用サイト:新唐人
【悠遊字在】日の話―嫦娥のおかげで残った太陽

【冒頭の詩】
太陽が一個出れば
大地はポカポカ、温かい
太陽十個みな出たら
暑くて隠れようもない
神の射手、羿(げい)は天から降りて
太陽九個を射落とした
残った一個の太陽で
万物は成長のパワーを得る


【あらすじ】
今回のテーマは「日」。つまり朝上り夕方には沈む、光り輝く天体、太陽だ。これにちなんで「太陽」にまつわる伝説を紹介しよう。

ある伝説によると、はるかはるか大昔、天には十個の太陽があったという。そのあまりの暑さに、作物は枯れ、河の水も干上がってしまった。その頃の帝王、堯(ぎょう)帝は民を救おうと天に祈った。すると天帝の使者、羿(げい)がこの世に降りて、次々と太陽を射落とした。そして、最後の矢を取り出したそのとき、羿の妻、嫦娥(じょうが)がやって来て羿をとめる。嫦娥は、人にとって太陽がなくてはならないことを知っていたからだ。こうして最後まで残った一個の太陽は、今日まで我々に温かい光をもたらし続けている。

我々の周りに存在する多様な数多(あまた)の命。時にそれは厄介な場合もある。例えば、細菌や虫、雑草など。人にとっては迷惑に思えても、それをすべて排除したり殺したりしてはならない。というのも、恐らくそれらは必要だからこそ、この世にもたらされたのだ。自分の都合だけを考えてはならないのである。

番組をきっかけに、周りの命をあらためて振り返ってみよう。どれもいとおしい命だと気付くはずだ。それらを大切に慈しむ、そんな豊かな心を育てたい。


【漢字について】
1、甲骨(こうこつ)文字:
四千年近い歴史を持つ漢字の中で、最古のものとして残っているのが甲骨文字。殷の時代、国にとって重要なことがあると、亀の甲羅や牛の骨を焼いて占った。そのひび割れで出た占いの結果は、刻して記録された。この際使われた文字が、ずばり甲骨文字。

2、金文(きんぶん)文字:
甲骨文字の後、つまり殷・周から秦・漢の時代まで使われた文字。青銅器に刻されたり、鋳込まれたりした。ここでの金は、青銅器を指す。当時は、官職に任命されたり、戦功を上げたりすると、それを青銅器に記録したという。

3、小篆(しょうてん)文字:
金文の後に誕生したのが篆書(てんしょ)。これは小篆と大篆に分かれる。秦の始皇帝は、ばらばらだった文字を統一し、標準書体を定めた。これが小篆だ。

4、楷書(かいしょ):
南北朝から隋唐の時代にかけて標準となった書体。漢の時代まで使われた隷書から発展したもの。